『憑神』 著:浅田次郎 

憑神 (新潮文庫 あ 47-3)憑神 (新潮文庫 あ 47-3)
(2007/04)
浅田 次郎

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お勧め度:★★★


あらすじ
「幕末の江戸に、ある貧乏御家人がおった。
名は、別所彦四郎。
文武の才がありながらも、陰謀により嫁ぎ先を追い出され、
実家の離れに居候。懐は、もちろん寂しい。
ある晩、酔いに任せて、小さな祠に神頼み。
現れたのは、よりにもよって、貧乏神。
果たして、彦四朗の運命や如何に・・・」


去年の6月に映画化、続いて舞台化された作品
“お江戸モノ”というだけで、ワクワクしてしまうけど、
そんな期待を裏切らない、完璧な物語

“人情”、“武士の心得”、“粋”が、ありとあらゆる場面に散りばめられてて、
読んでて胸を熱くさせる
それに、滑稽な神様も必見
貧乏神、厄病神、そして死神・・・絶対に憑かれたくない神様たちが、
彦四朗の信念の強さ、実直さに魅かれ、不幸を負わせたくなくなる気持は、
痛いほど良く分かる
目先の欲に捉われず、使命を全うする心意気は、
まさに“武士の鏡”やもん

また、情景描写や時代背景も歴史に忠実で、
“徒士”(おかち:徒歩で戦う武士)や、幕末の庶民の暮らしを知るには、
うってつけ
めっちゃ夜鳴き蕎麦、食べたくなる

一番心に響いた、彦四朗の決意は、

正義は必ずしも社稷にあらず、常におのれがうちにありと信ずるがゆえにござりまする。

(P.316)

信念を、長いものには巻かれずに貫き通した彦四郎には、参りました

昔ながらのお茶屋さんで食べる、素朴な三色団子みたいな作品
[2008/06/30 03:12] キラキラ系 浅田次郎 | TB(0) | CM(0)