『真珠夫人』 著:菊池寛 

真珠夫人 (文春文庫)真珠夫人 (文春文庫)
(2002/08)
菊池 寛

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お勧め度:★★★★★


あらすじ
「清い交際をしていた、瑠璃子と直也。
ふとした事から、成金の勝平の怒りを買ってしまい、
瑠璃子は勝平の妻になるよう仕向けられ、二人は引き裂かれる。
だが、禍か、半年も経たぬうちに勝平は悲運の死を遂げ、
瑠璃子は未亡人に。女王蜘蛛のように、
サロンに集う男達を魅きつけ、妖婦のように弄びながらも、
初恋を心に留め、操を守り続けた瑠璃子が行き着いた先とは・・・」


大正九年六月から十二月まで新聞に連載され、何度もドラマ化や映画化された、
昼ドラ小説の鏡とも言える作品
2002年にフジテレビで放送されたモノは、原作とはかなり違うけど、
めっちゃはまって見てた
個人的には、ボタバラより好き

初恋を大事に心に秘めるとか、操を守るとか、凄く素敵
昔のほうが、相手を思いやる気持ちの方を重視してたのかなぁ
古風な考えを馬鹿にすればするほど、
世の中は、どんどん恐ろしくなるのかも

それと、家の借金の為に嫁ぐとか、今の時代にはありえない考えやけど、
当時の娘、特に身分が高い家の娘は、
家の名誉&繁栄と結婚が結びついていたのも加わって、
それが当り前の選択やったんやろうね
まぁ、瑠璃子は、復讐のためやったんやけど、
あんなにアッサリ終わっちゃうと、その怒りの矛先が、
男性全体に向かってしまうのも無理ないよなぁ

うぶな男性の心を弄ぶ瑠璃子の姿には、多少、てかだいぶ行き過ぎって、
ツッコミたくなるけど、スカッとする印象も受ける
女を弄ぶ男は、あんまり批難されないのに、
男を弄ぶ女は、妖婦と罵られるなんて、おかしいって言うことには、一理あると思う
フランス文学でも、よく、≪femme fatal≫(悪女)として描かれたヒロインが山ほどいるのに、
その逆はあんまり見たことない。

まさに、それを表している、瑠璃子の語りは、

男性が女性を弄ぶことを、当然な普通なことにしながら、社会的にも妾だとか、芸妓だとか、女優だとか、娼婦だとか、弄ぶための特殊な女性を作りながら、反対にたまたま一人か二人かの女性が男性を弄ぶと妖婦だとか毒婦だとか、あらゆる悪名を負わせようとする。それは男性の得手勝手です。我儘です。
(P.406)

男権社会は、やぁねぇ笑
まぁ、人の気持ちを弄んだら、いつか報いを受けるんやろうけど

食べ始めたら止まらない、かっぱえびせんみたいな作品
[2008/06/28 04:47] 昼ドラ小説 菊池寛 | TB(0) | CM(2)

『貞操問答』 著:菊池寛 

貞操問答 (文春文庫)貞操問答 (文春文庫)
(2002/10)
菊池 寛

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お勧め度:★★★★


あらすじ
「芝居バカで知的美人の長女、圭子。
聖母の清らかさと娼婦のエロスを備えた次女、新子。
ベビーエロの三女、美和子。
父が亡くなり、浪費家の姉妹のため、新子は家庭教師として前川家に勤めることに。
軽井沢の別荘で、主人とこどもたちと穏やかな日々を過ごしていたのも束の間、
お嬢様根性でメデューサのような精神の夫人の到着とともに、嵐が起こり・・・」


昭和九年七月二十二日から翌十年二月四日まで、
196回に渡って連載された、新聞小説新聞紙
タイトルからして、不道徳な匂いがプンプンやわ笑薔薇
そして、2005年秋には、TBSの「愛の劇場」枠で昼ドラ化
多少脚色してあってラストも違うけど、かなり面白かったなぁ
前川夫人は、はまり役やと思う笑

厄病神のように、次々と迷惑というか、ありえへん事をしでかしまくる、
圭子と美和子。
更に、嫉妬に狂った女王様のように、暴言を浴びせかける婦人。
それに忍び耐える新子は、まさに悲劇のヒロインorz
そりゃあ主人も魅かれるわぁ

けど、実は裏があるかもと思って読み進めていくと、
案外、一番の曲者は、新子でも前川夫人でもなく、一番年下の美和子

新子を夫人の悪口から庇って、口喧嘩をして言い負かせた場面は、
読んでてスカッとしたけど、いずれは“バー・スワン”のママの座につくことを、
計算してたんちゃうかなと考えると、恐ろしくなる絵文字名を入力してください
ほんま、女ひとりで良かった笑

一番きつい、夫人の新子に対する皮肉は、

専門教育をお受けになったくせに、よくこんな寄生虫的な生活がお出来になるのですね。
(P.409)

こどもたちの面倒もロクに見ないで、旦那の金を使って贅沢三昧の自分こそ、
寄生虫やろ笑
こんな風に、年取りたないなぁ

胃もたれする、クリームみたいな作品

[2008/06/04 00:57] 昼ドラ小説 菊池寛 | TB(0) | CM(0)